学校ルポ/梶山小(三股町)

地元の魅力、記事で探究 興味関心の幅広げる

 三股町・梶山小(泊俊一郎校長、77人)は本年度、日本新聞協会のNIE実践指定校となって2年目。毎週木曜に10分間取り組む「NIEタイム」のほか、新聞を通して地元の魅力を探究する学びを展開している。さまざまな記事を授業や家庭学習で活用することで、児童が興味関心の幅を広げて自分なりの意見や考えを持てるようになることを目指す。

 昨年度、同校のNIEタイムで児童は関心を持った記事のスクラップや宮日こども新聞の「吹き出し大喜利」への投稿などに取り組んできた。本年度は新たに、自分で選んだ記事を読んでワークシートに「キーワード」「疑問・分からないこと」「感想」の3項目を記入する活動を始めた。

 菅原幸一教諭(32)は、6年生の総合的な学習の時間のテーマを「新聞を活用して宮崎の良さや魅力を発信しよう」と設定。取材した授業では、「よさや魅力」の記入欄を加えた4項目のワークシートを使い、記事から見つけた本県の長所や特色も記入させた。

 児童が選んだ記事は「水田水路にメダカ放流」「ムラサキスポーツが青島店」「最後の宮崎みなとまつり」などの県内ニュース。10分かけてワークシートを書き終えると、2、3人ずつでグループをつくり、選んだ記事とワークシートの記入内容を1人3分の持ち時間で互いに発表した。

 「メダカ放流」の記事を選んだ児童に対し、他の児童が「米作りとメダカはどういう関係があるの」「今も放流は続けているの」などと疑問に思ったことを質問し、記事の内容への理解を深めた。

 全員が発表し終えると、菅原教諭は「お互いに発表し合うと記事の中身がよく分かるね」と呼びかけ、児童は納得した様子だった。

 最後は振り返りの時間が設けられ、児童は自分の発表内容を再確認して気付いたことなどをノートに記した。滿来理央さん(11)は「魅力と感想を分けるのが難しかった。見出しに一番伝えたいことが書いてあるので、見出しと関係することを見つけた。今後も見出しをポイントにして宮崎の良さを発信していきたい」と振り返った。意見や感想を述べ合う児童の姿を通して、より深く記事を読み込むことができた授業だと感じた。

【写真】記事のキーワードなどをワークシートに記入する梶山小6年の児童たち

考え育てるチャンス

 家庭学習でも記事の感想を書かせるなど、児童が活字に触れる機会づくりに努めている。宮崎日日新聞の「若い目」への投稿を含め児童はNIEを楽しんでおり、社会への関心を持つようになってきている。本年度の6年生の総合的な学習の時間のテーマは、模造紙やスライドに結果をまとめ児童に発表させる予定。NIEは子どもたちが自分の考えや意見を育てる良いチャンスになる。まだ対話して考えをまとめる力が弱いので、さらに記事を活用し工夫を重ねていきたい。

【写真】菅原幸一教諭