こどもサミットを開きました(8月18日)

 県協議会は8月18日、宮崎市の県教育研修センターで「みやざきNIEフォーラム・こどもサミット」を開きました。県教委の協力を得て、県キャリア教育支援センターが開いた中学生キャリアフォーラムと合同で開催。中高生5人が登壇して地域医療、地域福祉について議論、キャリアフォーラムに参加した多くの中学生に新聞を通した学びをPRしました。宮崎日日新聞の8月30日付にはカラー特集で議論の詳細を掲載しました。
掲載記事は以下の通りです。

 新聞活用教育に取り組む県NIE推進協議会(浜野崇好会長)は、宮崎市の県教育研修センターで「みやざきNIEフォーラム・こどもサミット」を18日開いた。県キャリア教育支援センターが開いた中学生キャリアフォーラムに組み込んで実施した。登壇した中高生5人はまず、参加生徒約60人とともに地域の医療と福祉に関する講演を聴講。宮崎大医学部の吉村学教授、社会福祉法人スマイリングパーク(都城市)の山田一久理事長から話を聞いた上で、新聞から得られた学びについて意見交換した。議論の様子を紹介する。(敬称略)

【地域医療】    

 司会・伊東泰彦 きょうの講演や新聞を通じて思うことは。

 中元優花 記事を読み話を聞いて、多くの取り組みが行われている一方、働き手や施設は足りないことが分かった。県内で医療を学んだ人が地元に就職する環境づくりが大切ではないか。学ぶだけ調べるだけではなく、自分の問題として日々意識したい。

 佐藤希乃花 私はえびの市生まれだが昨年8月以降、西諸地域で出産できる病院がゼロになったことを記事で知った。吉村先生の話では、学校と医師が綿密にコミュニケーションを取っていることが印象に残った。将来は教育の道に進む考えだが、地域医療の問題をわが事と考え、次代の人に伝えたい。

 宮原凜 県内外の学生が宮崎で医療を勉強したいという環境をつくり医師不足を解消できればいい。吉村先生の話では、高齢化が進む中で専門分野別の診療は負担が大きく、総合診療医を増やさないといけないと分かった。

【地域福祉】
 伊東 福祉についてはどう感じたか。

 宮原 高齢者が地域との関わりを持てる環境づくりが大切。福祉体験学習や講演会などを通じ、高齢者を理解することが重要と考える。介護職はストレスが掛かる仕事と思っていたが、全ての人に幸せを届け夢をかなえる仕事と聞き、印象が変わった。

 佐藤 住吉中は県内初のJRC(青少年赤十字)加盟校で盛んに活動していて、私は委員長を務めている。活動の一つが紙すき。地域の人とはがきを作り、お年寄りに暑中見舞いと年賀状を届けている。喜ぶ声が届いたり返事をくれたりする人もいて、とてもうれしい。新聞では、多くの人が各地で高齢者福祉の活動をしていることが分かる。祖母が介護現場で働いていて大変さは知っているつもりだったが、山田さんの話で私たちが直面する問題と再認識した。今回学んだこと、例えば高齢者福祉に大切なコミュニケーション力と協働力は、私たち中学生の福祉ボランティアでも力になる。

 中元 新聞を読むと地域とのつながりの大切さがよく分かる。西日本豪雨で亡くなった人の多くは高齢者だった。自身では克服できない問題を支えるのが地域の役割。日頃の交流はもちろん、災害時の備えでも地域全体で協力する取り組みを進めるべき。山田さんの話から、介護現場の実際とイメージには差があると感じた。

 今村美雨 みんなの話からは日頃から新聞をよく、幅広く読んでいるのが伝わる。記事から学んだことやきょう聞いた話、日頃の体験を関連付け、自分事として考えていてすごい。

 伊東 新聞発行の経緯や取材で感じることを聞きたい。

 宇和義浩 1月にいとこが帰省した時、写真集を発行したのが始まり。どんどん面白くなり192号になった。取材を通じ、島浦の高齢化を強く実感した。課題解決のため、福祉検討会が開かれているのも初めて知った。今後も島のことを考えていきたい。

 伊東 新聞を読むとどんな力が付くか。

 中元 記事から解決策を考えたり、自分の身の回りにある課題に気付けたりする。さまざまな記事を読んで新しい情報に触れ、それを関連付け、比較検証することで視野が広がり、知識や思考が深まる。中高生の時期にもっと読むべきと思う。

 佐藤 新聞を読めば知らなかったことを学べる。社会の課題を知り、自分にできることは何かを考える力が付く。地域を支える人の記事を読むと、私たちのJRC活動も社会貢献の一つとあらためて感じ、意欲や自信も湧いた。

 宮原 新聞から社会の課題を学び、問題意識を持つことができる。課題について話し合い、さまざまな考えも吸収できる。社会の課題は1人では解決できないものも多く、一人一人考えも違う。話し合う力を持つことも大切だ。

 伊東 新聞発行のやりがいや得られたものは。

 宇和 教室に掲示し、先生や友達が見てくれるのがうれしい。文章力も上がった。

 伊東 中学で3年間、新聞切り抜き(スクラップ)に取り組んだ今村さんはどうか。

 今村 最初から新聞が好きだったわけではないが、地域の情報や興味がないことも細かく載っていて、質が高く内容の濃い記事が多い。インターネットのニュースにはない良さがある。スクラップをやって新聞の良さに気付けた。切り抜いた記事の内容をまとめていたら理解する力が付いた。高校でとても役立っている。そのときは気付けなかったけれど、今は見えない力がどこかについていたと実感している。やっていれば絶対に後から気付く良さ、後から気付く力がすごくある。

講評/宮崎市立住吉中校長・NIEアドバイザー/猪野滋さん/半径3メートル幸せにして

 皆さんから、すてきな思いを聞かせてもらった。感じたことを3点述べたい。
 1点目は、皆さんが「未来は自ら創造する、創造していかざるを得ない」との思いで語っていたこと。
 2点目として、そんな時代を生きる大事なキーワードを思い浮かべた。一つは「探究」。皆さんの発言には「気になる、学ぶ、問い続ける」姿勢があった。二つ目は「共生」。共にとか、支え合う視点が感じられた。三つ目は「貢献」。学んだことを生かしたい、自分や仲間、地域、社会のために何かしたいという思いが伝わった。
 3点目は、本気の思いがなければ続かないということ。新聞を発行している宇和さんは、きっとよだきい日もあったと思う。でも続けるのは本気の思いがあるから。継続の大切さを感じた。
 私は、福祉という言葉の意味を「普段の暮らしを幸せに」と教わった。これからは面で考える時代。教育や医療、福祉、すべて面で考えないと解決しないし成り立たない。
 面とは何か。それはコミュニティー(地域社会)。大切なのはどんなコミュニティーを創造するかということ。その単位は中学校区。そこの中で関係をつくっていくことが大事。学校も、住んでいる地域もそうだ。ぜひ、自分の半径3メートルを幸せにし、皆さんが幸せになるコミュニティーをつくってほしい。

宇和さん編集・発行/「宇和日日新聞」/自らニュース選び要約

 延岡市立島野浦中1年、宇和義浩さん(13)が発行している新聞のタイトルは「宇和日日新聞」=写真。A4判2枚組で、今年1月5日に創刊した。休刊日は毎週火曜で、中学生らしくテスト期間中は臨時休刊する。大阪北部地震や大相撲の琴恵光関の活躍など県内外のニュース記事3本をインターネット上で見つけ、それらを自分で要約して掲載している。
 帰省したいとこの写真を載せるために作ったのがきっかけだったものの、新聞と名乗ったからには記事も載せてみようと愛用のタブレット端末で編集を始め、毎日30分から1時間ほどかけて製作する。出来上がるとPDFファイル化し、無料通信アプリ「LINE(ライン)」を通じて家族ら5人に配信。紙にも印刷して教室に掲示し、クラスメートに見てもらっている。
 「地域に根付き、誰でも簡単に読める新聞づくり」が編集方針で、天気予報や学校行事の告知も載せるなど、細かな読者サービスに余念がない。最近はコラムを書いて掲載し始めた。
 昔からニュース番組を見るのが好きだった宇和さん。「みんなにもニュースへの興味を持ってもらえたら」と期待し「さらに読みやすく、分かりやすい新聞を作っていきたい」と意欲を見せている。